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リスクアセスメント(5)リスクレベルの算定

2008-03-31

 ここまで、リスクアセスメントを効果的、効率的に実施するために、情報資産の重要性(機密性、完全性、可用性が侵害された場合の影響のレベル)を評価し、情報資産の特性に応じてグループ化し、それぞれの脅威、脆弱性を特定・評価することを述べてきました。
 次は、規格要求事項 4.2.1e) の 3)リスクのレベルを算定し、4)リスクが受容できるか、又は対応が必要であるかを判断する。作業となります。
 まずは、「リスクレベルの算定方法」を定めておく必要があります。

 リスクの定義を紹介していませんでした。規格要求事項には、「リスク」の定義はありませんが、引用規格とされているJIS Q 27002(ISO/IEC27002:2005)で、「リスク:事象の発生確率と事象の結果の組合せ」(ここでの”事象”は、望ましくない事象に限定して良いでしょう。)としています。

 ”事象の発生確率”は、脅威の発生頻度と脅威に対する脆弱性の程度で考えられます。”事象の結果”は、機密性、完全性、可用性が侵害された場合の影響(損害)の大きさとなります。
 これまで説明してきた、「情報資産の重要レベル(機密性、完全性、可用性が侵害された場合の影響のレベル)」と「脅威、脆弱性の評価レベル」をリスクの算定に用いるのです。
 そこで、リスクの算定式を次のように定義します。

リスク=「脅威の評価レベル」×「脆弱性の評価レベル」×「情報資産の重要レベル」

※情報資産の重要レベルは、機密性、あるいは、完全性、可用性が侵害された場合の影響を表していますので、リスクは、機密性、完全性、可用性それぞれについて算出されます。

 重要な資産(資産の重要レベルが高い)が、頻繁に発生している事件(脅威のレベルが高い)に対して、対策が不十分(脆弱性のレベルが高い)な状況下にある場合はリスクが高い。
 資産に価値が無い場合(資産の重要レベルが低い)や、事件(脅威)の発生が考えられない状況下である場合(脅威のレベルが低い)、また、既に、事件(脅威)の発生を想定した充分な対策が講じられている場合(脆弱性のレベルが低い)には、リスクが低い。という訳です。

 リスクのレベルの算定 ( 4.2.1e)3) )が出来ましたので、リスクが受容できるか、又は対応が必要であるかを判断します。 ( 4.2.1e)4) )
 この判断のために、リスク受容基準を設定し、また、リスクの受容可能レベルを特定 ( 4.2.11c)2) )し、ここでは、自動的に、リスクの受容/リスクの対応を判断します。
 ちなみに、「リスク受容基準」とは、何をもって受容とするか?という”物差し”を作ること、「リスクの受容可能レベル」その”物差し”で、幾らであれば、受容するかを判断するレベルを決めることです。
 この”物差し”で計る「リスクの受容可能レベル」は、算定したリスクのレベルと対比できる必要があることは言うまでもありません。

 これにより「リスクの受容可能レベル」にあるリスクは取りあえず置いておき、そのレベル外にあるリスクは「リスク対応」が必要となります。
 次回は、リスク対応について述べます。

Posted by nasihat 08:10:03 │Comments(0)TrackBack(0)

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