「会計で会社を強くする」
その8:公私を区別する
社長の仕事は、9時−5時ではありません。
必要なときに必要な仕事をします。何より、四六時中自分のビジネスのことを考えているというのが現実ではないでしょうか。
そこには、時間に関しての公私の区別はありません。
しかし、ことお金に関しては、厳しく公私の区別が求められます。
例えば、家事費(生活費)や個人的な費用は、会社の経費にはならないことは、みなさん、よくご承知のことだと思います。
会計ルールや法令で規定されていることは、当然のことですが、ここで書きたいことは、使った本人しかわからない「支出の目的」です。
たとえば、ゴルフ代、飲食費などが代表例だと思います。
これらの経費は、その使用目的に応じて、事業の経費になる場合もあるでしょうし、家事費(個人的な費用)になる場合もあります。
取引先への「接待」が目的なら「接待交際費」、従業員への「慰安」が目的ですと「厚生費」として事業経費になります。
個人的な目的では、もちろん事業経費とはなりません。
問題は、領収書を見ただけでは、その目的がわからないと言うことです。
税務調査でよく問題になるのもこれらの経費です。
ある税務調査で、「交際費が多すぎる」と言うことが問題になったことがあります。
多いか少ないかが根本的な問題ではなく、交際費の回数が多かったので、これらの支出の中に個人的な目的の支出があるのではないかと、調査官は思ったようです。
もちろん、正当な事業目的の支出であることを社長に説明してもらい、調査官も納得し(100%納得したかどうかはていたかどうかはわかりませんが)、そのまま認めるということになりました。
私が、そのときに心配したのは、調査のこともありましたが、会社の従業員さんが社長の経費の使い方に関してどのように感じているかと言うことでした。
調査官と同じように「うちの社長の交際費は多すぎる」「個人的な目的で会社のお金を使っているのではないか」そんな風に思われていてはとても残念です。
会社の中で、一番会社のことを考えているのは、間違いなく社長です。
社長は、会社の事業のことについて、いろいろなことを考え、そして判断しています。
社長以外の人には、気がつかないことまで考えているのが普通です。
その社長が会社の事業のために考えて使うお金であっても、中には説明を聞かないと周りの人にはわからない費用もあるかと思います。
税務調査のように質問してくれれば説明できますが、一般的に従業員さんは、社長に費用の使用目的を1つ1つまでは聞きません。
聞かずに、ただ想像するのだと思います。
その想像が誤解につながると、社長に対する信頼を損ない、働くモチベーションを低下させ、会社の発展にマイナスの影響を与える場合すらあります。
「公私の区別に対する社長の姿勢」、経営者の人格を見られているようで、気が抜けませんねえ。